所長の日日坦坦(ひびたんたん) 「冬どなり」
1.日日坦坦 「冬どなり」
所長 萬代哲也
センターだより第138号をお届けします。本号が皆さまにとって有益な内容でありますことを願っております。
今日は11月4日。立冬まであと三日となり、暦の上の季節はまさに晩秋です。センターの前を通り過ぎる男子高校生は詰襟になり、停留所でバスを待つご婦人は肩にストールを乗せています。
それでも、近頃は季節の移り変わりにずいぶん鈍感になった気がします。地球環境の変化のせいでしょう。春と秋は短くなり、冬の後にはすぐ夏が、夏の後にはすぐ冬がやってくるように思えます。
最近の出来事で気になるのは、各地で起きているクマの出没と人への攻撃です。クマは、秋の訪れとともに栄養を十分に蓄えて冬に備えるのだと思いますが、なぜ人間の領域に踏み込み、なぜ人を攻撃するのでしょう。以前は人間の開発行為の影響が言われていましたが、今ではやはり気候変動が第一の要因でしょう。
気候が変わり、クマの栄養となる動植物に変化をもたらし、その変化がクマに及ぶ。短い秋に戸惑い、エサの減少に慌てて山から里へ迷い込んだクマは、人間をエサを取り合うライバル、あるいは自分に危害を及ぼそうとする敵と感じて攻撃する。一方、人間はクマに遭遇することへの備えが間に合っていない。
人間にもクマにも悲しい現実です。
宮崎ではクマの被害は起きません。でも、気候変動によってそれに代わる何かが起きるかもしれません。クモや蚊などの毒性昆虫によるものであったり、更に小さいダニなどの寄生虫であったり、あるいは、細菌やウイルスが何かを引き起こすかもしれません。考えるだに恐ろしいことです。
何とかここで踏みとどまりたい。世界の英知を結集して、将来を生きる子どもたちの安全を守りたい。誰しもがそう願っていることでしょう。
二十四節気では、立冬のあとに小雪、大雪、冬至と移り、寒さもいよいよ本番を迎えます。体も心も健やかに保ちつつ、季節の移り変わりを敏感に感じたいものです。