視覚障害者研修会の報告
1.視覚障害者研修会の報告
7月23日(日)に県立視覚障害者センターで「視覚障害者だから知っておきたい防災の心得」と題して防災士榊原道真(兵庫県)を迎えて講義を受けました。8月に台風6号が沖縄周辺から九州西側に接近し、この研修会で学んだことが役に立ったと思います。土砂災害警戒区域、洪水による浸水想定区域などが各地域で発生し、現在住んでいる区域がどのようなところか少しわかったと思います。皆様も自宅周辺のハザードマップを確かめていただきたいと思います。講義の概要は下記のとおりですので再度ご確認をお願いします。
「視覚障害者だから知っておきたい防災の心得」
防災士 榊原道真(兵庫県)
1 ハザードマップについて
自分の住んでいる市町村の「ハザードマップ担当課」にお願いして、自分が住んでいる地域のハザードマップ上のいろいろな危険について説明してもらう。
①土砂災害の危険はあるか。
- 水害が起こったときどのくらい水に浸かるか。
- 南海トラフ地震が起こった場合、どの程度の波が来るのか
聞いたことは必ず記録すること
2 避難所について
避難所の名前と住所、電話番号を確認する。
一度、避難所まで介助の方や家族と一緒に確認に行ってみる。(ただし、避難所は災害の種類によって変わる場合がある)
3 非常持ち出し物品について
貴重品とか、薬など非常時に持ち出す物を準備しておいてください。 避難所に行けば、水や食料品は準備してあるが、自宅避難の場合は停電のリスクがあるので、3日分くらいの水は必要となります。
そのほか、カセットコンロがあると便利です。テレビやパソコンが使えなくなるので、携帯ラジオも準備するといいです。
視覚障害者は物を探すのが苦手です。百均にも防災に役立つものがたくさんありますが、聞かないとわかりません。できるだけ情報が欲しいということを周りにも伝えてください。
防災グッズなどは、一度使ってみる、触ってみることが大事です。非常食も一度食べてみてください。でないといざというとき役に立つかどうかわからないです。
4 地域の避難訓練について
避難訓練はいろいろな障害を持つ人も参加すべきですが、なかなか情報がなかったり声がかからない場合があります。
地域の役員さんなどに、参加したいと伝えて、声をかけてもらうようにしてできるだけ参加して下さい。困ったこと、不自由なこととか、こういう支援があれば助かるといったことがあれば主催者にどんどん伝えて下さい。そういうことをやっていけば、だんだんと広がってくると思います。障害について知らない人がいっぱいいます。私も参加したことがありますが、「危ないから座ってて下さい」と言われました。地域の人も接し方が分からない面があるのだと思います。
障害者は避難所に行くのがどうしても遅いので、いい場所は健常者が先に取ってしまうことになります。視覚障害者は壁際にいるのが本当は一番良くて、その方がみんなにとっても迷惑にならず、助かることになります。こういったことが合理的配慮です。障害者はわがままだ、と思う人がいるかもしれませんが、合理的配慮は障害者の権利です。どんどん言っていけばよいです。形の上での平等ではなく、結果平等ということが大切です。例えば車いすの人にとっては一般の人より広いスペースを確保してあげることによって、ほかの人と同じように避難所を利用できるようになります。これが合理的配慮です。
また、行政の人や避難所の係の人もまた同じ被災者であるということを考えてみることも必要だと思います。